高脂血症の改善のための生活習慣

血液検査で「LDLコレステロールが高い」「中性脂肪が多い」と言われたことはありませんか?これらの数値が基準を超える状態が**高脂血症(脂質異常症)です。これ自体の自覚症状はありませんが,  動脈硬化やそれによる, 虚血性心疾患, 脳血管障害の危険因子の一つです。約30年前から, これらの脂質代謝を変化させ, 血中の脂質の検査値を改善させる薬が脂質代謝改善薬という呼び方で出現し, 現在では, 多くの方が内服しています。しかし, 脂質代謝の薬を検討する前に、食生活を見直すことが大切です。

コレステロールを多く含む食品

以下の食品は、1食あたりのコレステロール含有量が高いため、食べすぎに注意が必要です。

食品名

コレステロール含有量
(目安)

備考例
卵黄(1個) 約210mg 卵料理全般に含まれる(オムレツ、親子丼など)
鶏レバー(30g) 約370mg
鉄分補給に良いが脂質異常症には注意
イクラ(30g) 約130mg
寿司や海鮮丼などに使用
タラコ(30g) 約110mg
朝食やパスタに登場しやすい
うなぎの蒲焼(100g) 約230mg
夏に多いが脂質も多め
エビ(100g) 約150mg
サラダや天ぷらによく使われる
マヨネーズ(大さじ1) 約20~30mg
卵黄がベース。使用量に注意
     

特に卵黄や内臓系食品(レバー類)は、1食で1日の摂取上限に近づくこともあります。

脂質異常症の方向け:食生活の見直しポイント

1. コレステロール摂取量を抑える

目安:1日200mg以下を推奨(すでに高脂血症と診断されている方)

2. 飽和脂肪酸の摂取量を減らす

肉の脂身、バター、チーズ、生クリームは控えめに
魚や大豆製品を中心に

3. 食物繊維をしっかりと摂る

野菜、きのこ、海藻類がコレステロールの吸収を抑制
1日350g以上の野菜を目標に

4. 適度な運動を習慣化

有酸素運動(ウォーキング、サイクリング)を週150分程度
脂質代謝を改善し、中性脂肪も低下させます

⚠️ 家族性高コレステロール血症(FH)の可能性について

以下に当てはまる場合は、「家族性高コレステロール血症(FH)」の可能性があり、早期の治療が必要です。

  • LDLコレステロールが180mg/dL以上

  • 10代や20代から高コレステロールを指摘されている

  • 両親・兄弟姉妹に心筋梗塞や脳梗塞の既往がある

 FHは遺伝性の病気で、生活習慣の改善だけでは不十分なことが多く、早期の薬物治療やLDLアフェレーシス(吸着療法)が必要になる場合があります。

 

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